2012年4月24日火曜日

「はんなり」と「雅び」

四捨五入すれば半世紀、50年来の親友Tさんと京都へ♪♪

「はんなり・・四君子苑」

玄関前の竹穂を下向きにした珍しい垣
(その先は撮影禁止)

北村謹次郎氏(1904~1991)が蒐集された茶道具の北村美術館。
その屋敷内にある自邸を年に春と秋、数日公開されるだけの「四君子苑」です。
四君子苑の由来は、菊の高貴、竹の剛直、梅の清冽、蘭の芳香を四君子と言います。
その四君子を中国で讃える風習があり、菊(きく)、竹(たけ)、梅(むめ)、蘭(らん)の
頭文字が「きたむら」と読めることと、その品格風格にあやかることを、
願って四君子苑と名付けられたそうです。
 その名のとおり苑内は、優美さと京言葉の「はんなり」の雰囲気が、
いたる所に漂っていました。 うっとり・・

日本の山林王である、吉野の北村家はお茶への造詣も深く、
代々表千家の家元と親交があり、謹次郎氏も先代、即中斎宗匠や、
現家元、而妙斎宗匠共々、お茶を楽しまれたそうです。
(何やら、表千家と聞いただけで親近感がありますネ(*^ー^*))

数奇者としての精神の全てを、茶室と茶庭に注がれた人の言葉。
「茶道は総合芸術であって、道具だけでなく、茶法だけでなく、
庭の一木一草迄の、すべてが呼応しあうもの」・・と、言ってみえました。
弱輩、陶の庵も、綺麗寂びの極致、昭和数奇屋の傑作四君子苑を、
清々しく五官で感じることが出来、とても嬉しゅうございました。


「雅び・・拾翠亭」

 
 広間の広縁から広大な九条池を見る

四君子苑から、京都御苑を斜めに通り抜けると、五摂家の
一つであった九条家の、茶会の為の離れ「拾翠亭」があります。
200年位前の江戸時代後期に建てられ、遊び心のある
公家屋敷の茶室として、現存している建物は数少ないそうです。

五摂家
(近衛家、 九条家、 鷹司家、 二条家、 一条家)

その当時の摂関家の仰々しく美々しい生活・・
下々の陶の庵には想像すら出来かねますね~

今日も「はんなり」と私達を迎え、感動させてくれた四君子苑。
「雅び」な生活であったろうと、その当時に思いを馳せた拾翠亭。

其々の時代に、一服のお茶をいかに美味しくいただくか・・
美的感覚、財力共に兼ね備えた数奇者が、心血を注いだ茶室と茶庭。

そして、その奥深い茶の湯とは・・

ぶらぶら歩きの二人旅。
思わぬ発見もあり楽しかったですネー
今後共どうぞ (^-^)/

2012年4月17日火曜日

徳川美術館



尾張徳川家の大曽根別邸の一角に建てられている徳川美術館。

柳営御物を含む沢山の茶道具が、展示されていますので時々出掛けます。
隣接する徳川園も、四季折々に咲く花々で楽しませてくれますよ。 特に、一、二月の
雪の降る極寒の頃、寒さ避けのこもを被った、冬牡丹の可愛らしい姿は印象的です。
美術館と庭園は名古屋っ子、いーえ愛知っ子のオアシス。

今回は、名古屋城下に打刀商として、江戸時代初期に開業され、成功なさった豪商の
「岡谷コレクション 豪商のたしなみ」が一挙に公開されました。
文化財は私蔵すべきでなく「保存と公開」を・・と岡谷家十代惣助氏(1887~1965)の
遺志をついで、重要文化財を含む88件全てを、S40年徳川美術館に寄贈されたそうです。

その時代の実業家は、美術品が海外へ流出してしまう事から護りたいという、
熱い思いから蒐集し、プライベートな美術館で公開されている多くの篤志家がみえます。
その方々のお陰で、今、私達も先達から受け継がれてきた文化財を、
間近に見させていただく事ができます。 感謝! 感謝!

古美術、特に茶道具を見ての帰り道、何時も思うことですが、
茶人でもある蒐集家は、その時代の財界の重鎮。
その先達の「たしなんだ茶の湯」とは・・?

根津美術館の初代嘉一郎氏(1860~1940)が書いて見えましたが、
茶の湯とは
「茶室という狭い空間で、無念無想の境地に入り、精神を統一する。
茶の湯が人の気持ちを落ち着け、挙措動作を奥床しくするのはその為」

一寸、陶の庵には難しいことですが・・ 願わくば
その時代にタイムスリップして先達のお茶会を垣間見たいものです。

2012年4月10日火曜日

ソメイヨシノとヤマザクラ

今年は春と冬を何度も行きつ戻りつし、季節の定まらない日々が続きましたが、
ここ数日、春風に包まれた穏やかな日和になりました。
遅ればせながら、我家の裏庭にも、やっと、佐保姫様が舞い降りてくださいました。

ソメイヨシノとヤマザクラ

江戸時代以降の日本の桜の八割がソメイヨシノだそうですね。
ソメイヨシノは葉の出る前に、淡紅色の花が咲きそろい、
ヤマザクラは若葉のある中に、清純な白い花がぼんぼり状に咲きます。
華やかさでは断然ソメイヨシノですが、ひっそりと奥ゆかしく咲くヤマザクラも好き・・
花も佳いですが、殊に、受粉した花の花びらが散った後に、緑色の実を結び、
それが熟すに従って、可愛らしい赤い実に成長する姿も楽しみです。 又、
秋の紅葉もソメイヨシノより柔らかい彩りで染まるヤマザクラは風情がありますよ。

四方会で時々楽しむ百人一首は、
「秋」を詠んだ和歌が多いですが「桜」も詠んでいます。

花の色は うつりにけりな いたづらに 
 わが身よにふる ながめせしまに

いにしへの 奈良の都の 八重桜
けふ九重に にほひぬるかな

久かたの 光のどけき 春の日に
 しづ心なく 花のちるらむ

他も含め六首詠まれていますが、何となくうららかな気持ちにさせてくれる
「久かたの 光のどけき・・・」が好きですね。

それよりもっと好きなのは・・
「花より団子」 一服のお茶の時に頂く「桜餅」
陶の庵の三河地方は、道明寺粉で作った餅で餡を包む関西風です。
包む桜葉は塩漬けにした、オオシマサクラでなければ、
あの独特な香りとべっ甲色はでないそうですよ。

では、桜葉は一緒に頂きます?
残します?

勿論、陶の庵は綺麗に全部頂きますが・・

2012年4月3日火曜日

釣釜と五徳蓋置

春彼岸も過ぎ、桜の花便りが待ち遠しい頃、釣釜の準備をいたします。
立夏になりますと、席中の炉畳も丸畳に、障子も葭戸に模様替えいたしますので、
それ迄のほんの少しの間の釣釜のお稽古です。

蛭釘から下がった釣釜が、ゆっくり揺れる様子は、やっと春になった・・と
何となく気分がウキウキし、席も明るくなったような気がいたします。


釣釜の一番の特徴は、炉中に五徳を使わないということでしょうね。
その代わり、使わない五徳は蓋置にして使う五徳蓋置があります。
釜を据える五徳の形を小さくしたもので、季節感もあり、とても可愛らしい蓋置です。
(別名 隠家ともいうそうですが??)

五徳蓋置は透木釜、切掛風炉や釣釜等五徳を使わない場合に用い、
点前では輪を上にし、飾る時は爪を上にして扱います。

(陶の庵作 (/o\*))

釣釜は湯を使うたびにゆらゆら揺れたり、微かな風が部屋を通り抜けるだけで揺れ、
その揺れににしたがって、春もどんどん近づいてくることを、亭主も客も感じあえますよ。


炉の間、お席に彩りを添えてくれた女王さまの椿も、初風呂になりますとお役目が終り、
可憐な風炉花にバトンタッチいたしますので、ほんの少しの間釣釜と共に、
椿を愛でることにいたしましょう。


陶の庵の一坪花壇の椿にもお礼肥えをし、風炉花の準備をしています。
色々の花芽が顔を出し、日に何度も足を運んで開花を待っている処です。