2013年12月29日日曜日

「墨」と「炭」

「墨」
墨は油煙や松煙を膠で固めたもの。
使う時には硯で摺って、書や画を書く時に用います。
白い紙の上に書かれた墨の黒。白黒両極の間に無限の墨の濃淡。
日本独特の美しさですね。

以前、書家の篠田桃紅さん(1913年生)の書いてみえたエッセイに、
「中国宋代の硯(縦65㌢横40㌢)、その大きさ、豪放さに知人に頼み込んで譲り受けた。
硯に水1合をとくとくと注ぎ込む。ゆったりと、なめらかに、無心で。
ときに一時間かけてする。墨がにおいたつ。」・・・ 情景が眼にうかびます。

特別な芸術は別にしても、年末年始になりますとにわかにクローズアップされるのが「墨」
昨今では年賀状も様変わりして、「墨」も日常品ではなくなってきたのが残念ですが・・・
陶の庵家では家人の仕事柄「墨」と筆は必需品です。

「炭」
木材を蒸し焼きにして作り燃料として使います。
お茶で使う「炭」はとてもきれいですよ。
材料は椚の樹だそうですが、樹皮が密着しているのでしまりがあり、
炭の断面が真ん丸い円で、切り口が菊の花のように均一になるので菊炭とも言っています。
火付きがよく長もちし、微かに漂う香が心を落ち着かせます。

特別な仕事以外使われない「墨」同様、「炭」も日常品ではなくなってしまいました。
特に、東北地方で生産されていましたので3.11の震災以降「炭」の値段がだんだん
高くなってしまい、残念というのか心配です・・・
陶の庵にとってはお茶の「炭」はなくてはならない必需品です。
震災された地域の農業、漁業、林業等の一日も早い復興が待たれますね。

「墨」と「炭」
 どちらも「すみ」と読み、一見似てないようにみえますが同じ炭素で出来ていて、
「墨」は粒状にして使い、「炭」はかたまりとして使い似たもの同士だそうです。

「墨」も「炭」も必需品の陶の庵家の似たもの同士、大波小波を乗り越え、
お蔭様にて一年無事に過ごすことが出来ました。
感謝でございます。

今年も、拙い「陶の庵日記」を見てくださいまして有難うございました。
どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。
(*´ー`)

2013年12月21日土曜日

三人の「利休」

「利休」という文字が目に入りますと、資料のような難しいものは素通りしますが、
新聞、雑誌、本や映像等なるべく読んだり観たりしています。

先日も観てまいりました。
第140回直木賞受賞作が同名で映画化された「利休にたずねよ」 「利休」は市川海老蔵。
次の「利休」は少し古いですが、1989年「利休」400年遠忌特別に製作された二作品。
  一作品は勅使河原宏監督「利休」 「利休」は三国連太郎。
            もう一作品は「利休 本覚坊遺文」 「利休」は三船敏郎。

市川海老蔵の「利休」
さすが、今最も注目をあびている歌舞伎俳優・・・奥ゆかしい利休像。
衣装もピタット身に着き、立ち居振る舞いもとても美しかったですね。美しすぎる?

三国連太郎の「利休」
慇懃な態度の内に隠された傲慢さ。美しいものを求めている心の奥の不気味さ。
三国連太郎の不可思議な魅力と重なった利休像。

三船敏郎の「利休」
利休死後27年後の回想シーンから始まる。
三船敏郎の自己に厳しい姿勢が重厚な利休像に・・・
ギラギラとして強さが目立ちすぎ?

陶の庵の想像している「利休」に一番近いのは、三国連太郎の「利休」
相反するものを内に秘めた複雑な利休像を演じてみえました。
ワダエミ作の衣装も勿論ですが、共演者がオーバーな演技で下卑た秀吉の山崎努、
宗恩(りき)の三田佳子、北政所の岸田今日子、大政所の北林谷江。
そして一番的役だったのが山上宗二の井川比佐志ピッタリでした。

特別製作された二作品共、出演された人は殆ど故人になってしまわれましたが、
今でもとても印象深く思い出される作品です。

それぞれ三人共特異な個性を持たれた俳優さんが演じられた「利休」
 
もし、タイムスリップできるなら450年前その当時の安土桃山時代に遡り、
「一つの志のために命をかけられた千利休」の茶の湯。
襟を正して秘かに見たいものですね。


2013年12月14日土曜日

「お伊勢さん」

穏やかは冬麗の一日、十月に「遷御」が行われた「お伊勢さん」に出掛け、
「外宮」をお参りした後、「神宮徴古館」そして「内宮」へと参拝してまいりました。

「外宮」
天照大御神様や神々の召し上がる食物の守護神。
衣 食、住 そして全ての産業の守護神だそうです。
内宮と比べますとやはり参拝客は少ないですね。
 
「神宮徴古館」


初めて出掛けましたがもう少し早ければ紅葉が素晴らしい庭園の中に、
当然和式建築と思いきやルネッサンス式の鉄筋コンクリートの建物で、
その館内には神様にお供えする装束や神宝等、格調高く美しい数々の
展示品が収蔵されている博物館です。
 20年毎の御遷宮に全て新調する事によって、古代から受け継がれた
儀式や技等、日本の伝統が継承され伝える事の大切さがよく解りました。
神宮の歴史と文化を伝える「神宮徴古館」を見られてから、
参拝するとより深く思い巡らすことができますね。

「内宮」
大鳥居をくぐり「日常から聖なる世界への架け橋」といわれる宇治橋を渡り、
正殿までの長い参道をざくざくと玉砂利を踏みしめて進みます。
その両側には天に向かって、真っ直ぐ伸びる樹齢数百年といわれる巨木が
そびえ立ち、辺りの空気も清められる厳かな道のりです。
巨木の脇を抜けて左の階段の奥、
前の正殿の西側に建てられたのが新しい正殿です。
建築様式は唯一神明造り、その特徴は「掘立柱に萱の屋根」だそうです。
御用材の直線と萱葺き屋根のやわらかな曲線。
その静かな美しさと荘厳な佇まいに息を呑みました。

1300年前から続いている20年に一度の式年遷宮。
御垣内の建物全てを建て替えし、更に「神宮徴古館」で見た殿内の
装束や神宝も新調して御神体を新宮に遷す。
東京大大学院のロバート・キャンベルさんが言ってみえました。
「決して古くなったから引越しするのではなく、機が熟したから引越しをする・・」
感慨深いですね。
 
 
五十鈴川から宇治橋を見上げる。
 
以前から五十鈴川に架かっているのに何故宇治橋と言うのかしら・・と思っています。
内宮前の鳥居前町宇治の地名に由来するとか?
又、内宮の内(うち)が転じて「うじ」になったと言われますが・・

大鳥居や宇治橋は御遷宮の四年前に架け替えられその後、
他の神社の鳥居の御用材として合計60年務められるそうですよ。

お参りの後は楽しみにしていたおはらい町やおかげ横丁へ。
参拝客の多さにビックリ。そしてその人達が皆、手に手にピンクの包装紙の赤福を
お土産に持っているのにも又ビックリ。勿論陶の庵も一箱買いましたよ (*´ー`)

「お伊勢さん」に参拝し、今更ながら日本の文化の奥深さを改めて感じました。
心身ともにリフレッシュした良き一日でした。








2013年12月7日土曜日

「夜咄の茶事」

お茶は「茶事に始まって茶事に終わる」と言われています。
大寄せの茶会も楽しみですが、やはり小寄せのお客様と一碗のお茶で
一期一会の交わりをする・・・それがお茶の心だと改めて思いました。

先晩、日没を目安に午後五時の席入りとし、親しいお客様をお招きして
「夜咄の茶事」を楽しみました。

夜咄ならではの亭主と正客の手燭交換や、おもあいでの前茶を差し上げたり、
朝茶や正午の茶事とは違う趣を設えましたが・・・

蹲踞で手水を使うお客様 

初炭でたっぷりのお炭をつぎ座掃きで清めた後、席を改め広間での懐石席へ。

全て陶の庵の手作りの懐石でしたのでお味は如何??
お粗末なことで失礼いたしました。

後座の席入りは鳴物の鉦ですのでゴ~ン ゴ~ンと大、小、大、小、中、中、大の
七点を打ちお知らせします。

夜咄は小間が似合いますね。
朝茶や正午の茶事の時など、広間の方が良いと思う時もありましたが、
夜咄だけは断然小間で良かったと思いました。

蝋燭の明かりと初炭でたっぷりついでおいた炉の暖かさ、そして釜からの松風の音・・・
寒夜の一刻を一座建立でゆったりとお過ごすいただけましたでしょうか?

まだまだ、思っていた半分も設えることが出来ませんでしたが、電灯を全て消し
蝋燭の明かりだけで行った「夜咄の茶事」は、又「ともし火の茶事」「闇の茶事」と
言われ、その雰囲気を少しでも感じていただけたら嬉しゅうございます。

夜咄では日が沈み夜も更けると寒さも急に厳しくなります。
利休さんのお言葉。
「冬は暖かに」 直接暖をとる器具ばかりでなく 「心はあつくてもてなせよ」
深い教えと思いました。


2013年11月30日土曜日

「安 近 短」の紅葉狩り

費用が安く、距離が近く、日程が短い小旅行や日帰りで楽しむレジャー。


費用0円、歩いて?秒、日程5分
究極の「安 近 短」・・・裏庭の紅葉狩りです。

「なぁーんだ」と思われるでしょうが、紅葉、染井吉野二本(残念ながら一番風情のあった
山桜がゴンちゃんと共に枯れてしまいました)そして欅一本。
見る場所によっては中々の景色ですよ。

秋の紅葉は奈良生駒の西にある「龍田山」に住む秋を司る女神「龍田姫」が、
野山を紅色に染める為・・・と言われています。
その「龍田姫」様が狭い裏庭にも舞い降りてくださいました。

春「佐保姫」様が舞い降り桜の花で被われ、そして若葉青葉の初夏だった
裏庭の季節が移ろい、日毎に秋色に変わってきました。

紅葉、黄葉、褐葉・・近くでじっくり見たり落葉を手に取って見ると、紅葉は
赤一色でなく赤に黄色や褐色が加わったり、黄葉も複雑でどの葉も
奥深い初秋から晩秋の色になっています。
紅葉狩りも色の変化を楽しむ日本人の美意識でしょうね。

落葉はうらさびしいですが、紅葉も落葉も冬を生き抜くための必死の知恵なのだそうです。
落葉もやがて土に返り木々の養分になる。そして再生する・・・

裏庭に眠っているゴンちゃんも一年四ヵ月になります。
やがて再生する??

もう一度逢いたいですネ (*´∀`*)


2013年11月23日土曜日

和ろうそく

夜咄の茶事に使う和ろうそくを準備いたしました。



  短檠用の一番大きい燭台     一本
   膳燭                 三本 
  小燈                 二本
  手燭                 二本
  
最低これだけの燭台と大中小三種類の和ろうそくが必要となりますね。

その和ろうそくも少し前まで、隣町の「ろうそくと線香」を売っている
お店の隣の小さな部屋で、おばあさんが大きな鍋の前に座って、
作ってみえましたが残念ながらお亡くなりになってしまいました。
とても貴重な手仕事だったんですが・・・

お茶事の形として初座、中立、後座、合わせて二刻(四時間)を一座建立で楽しみます。
初座二時間、後座二時間、電灯でしたらスイッチを入れればパット明るくなりますが、
二時間から四時間燃え続けるろうそく・・・

ろうそくの燃える時間は重さで区別するそうです。
一匁(約3.75㌘)でおよそ三十分、5匁では一時間半位燃え続けるとか。
すると、二時間では約20㌘、四時間なら40㌘。
早速量ってみましたら一番大きいろうそくが200㌘、中100㌘、小60㌘ありましたので、
どんなに永くなってもまあーまあー大丈夫でしょう?

洋ろうそくは石油を蒸留して作られるパラフィンろうが原料ですが、和ろうそくは
天然のハゼの実で純植物性ですので清浄で環境にもやさしいそうです。

日常生活の中で洋ろうそくはともかく、和ろうそくは殆どお目にかりませんですね。
和ろうそくの赤橙色のオレンジ色の灯火は、風が当たらなくてもユラユラと揺れたり
静止したり、しばらくして又、ゆっくり揺れはじめたりとても神秘的です。
仄かで優しい光は心をゆったりとさせ和ませてくれます。

特別な日でなくても時々日常生活でインテリアとして和ろうそくを灯す・・・
ちょっぴりロマンチックな雰囲気になりますでしょうネ (*^ー^*)

2013年11月9日土曜日

「木枯らし一号」と「小春日和」

先日木枯らし一号が吹いたとのニュースがありました。

「木枯らし一号」
晩秋から冬にかけ、西高東低の冬型の気圧配置となり、最大風速八メートル以上の
北寄りの風が、東京と大阪で初めて吹いた日を「木枯らし一号」と言うそうです。

今年の長かった夏をやっと乗り越え、ようやく過ごし易くなり、野山も粧いはじめたばかりなのに、
もう、秋から冬へと移り変わり、木枯らしが吹く季節になってしまいました。
これから紅葉狩りに出掛ける人が多い時、錦秋の野山を木枯らしで枯れ木にしないで・・・

「小春日和」
冷たい木枯らしが吹き荒れた寒い日の翌日など、それまでの寒さが打って変わり、
春を思わせるような、ぽっかり暖かい日射しに包まれた陽気になる時があり、
そんな日を12月中旬頃までは「小春日和」と言い、それ以後に同じ「小春日和」のような
陽気でも「冬麗(ふゆうらら)」と言うそうです。

梅の季節にも「探梅」は寒さのきわまる時節、早咲きの梅を野山に探すという意味で
冬の季語となり、立春を過ぎると「観梅」で盛りの色香を愛でる・・春の季語となります。
どちらも微妙な季節の移ろいを表わす美しい日本語ですね。


いよいよ、カレンダーも一枚を残すだけとなりました。
年賀ハガキの注文がきたり、色とりどりのクリスマスケーキが並んだり、
今、食材の誤表示で問題になっているお節料理やお歳暮の陳列など・・・

そんなにいそがないで!

ひとときの穏やかな「小春日和」をゆったりと・・・

2013年11月2日土曜日

石蕗(つわぶき)の花

名前のごとく、庭の石に寄り添いほころびかけた石蕗の花。


厚みのある丸い葉っぱはキク科独特の濃い緑色で、どちらかというと地味な感じがしますが、
花茎からのびて咲く花は明るい黄色でとても可愛らしい花です。

11月に入りますと炉を開きますが、その炉開きの日は何時とは決まっていませんが、
毎年11月初旬の立冬の前後頃に開きます。

その頃にはまだ炉の茶花としてなくてはならない椿の花は、蕾が固く
ほころびるのにはまだまだ日にちがかかりそうです。
そういう花の少ないこの時期、晩秋から初冬にかけて咲く石蕗は
茶花としてとても重宝しています。

狭い陶の庵の庭ですので何をするにしても一番気掛かりなのはそのお花です。
早朝花のご機嫌を伺いながら、見目麗しい花を一輪づつ頂だいいたします。
さーて、お似合いの器はどれにいたしましょう?

四季折々の風物や自然を「夏涼しく」「冬暖かく」「花は野にあるように」
利休さんのお言葉  むつかしい・・・・・・


2013年10月26日土曜日

夜咄の明かり 全員集合

新旧の明かり全員集合いたしました。


暗くなるのを待ってローソクを灯しましょう。 


ウーン、以外に出来映えは上々 ♪♪

          席中短檠の代わりには大きめのあの燭台・・・
 手燭は風のない時にはあれネ。もし、風が強ければあれにしましょう・・・
   膳燭は少し明るい方が料理が見やすいから、あれとあれとあれの燭台・・・

お茶事の楽しみは「客三分に亭主七分」と言われますが、主客相まみえての
一刻は勿論ですが、道具揃えや料理の事等、色々考えるのも楽しみの一つです。
こればっかりは、拙いながら亭主をしてみないとこの楽しみは解らないかも  (*´ー`)

「一座建立」で楽しい夜咄を・・
   

2013年10月19日土曜日

手燭 其の二

そーね、露地でも使うので先日作った手燭では風の強い日には消えてしまう・・・

再び女流陶芸家に変身!


明かりとりの切り込みに一苦労 (*´ー`)


(高さ 24㌢  径 8.5㌢ 生寸法)

この手燭なら風速20㍍位でも大丈夫でしょう??


2013年10月12日土曜日

「手燭」

お茶のお稽古と言えば、お手前のお稽古が中心になっていますが、
最終目標はやはり、お茶事をするという事が大切かと思います。
そのお茶事は季節とか催す時間によって、口切、夜咄、暁、初風炉、朝茶、名残りの茶事等が
ありますが、普通は正午前後から催す正午のお茶事が多いようです。

季節の趣を楽しむのはこれからの季節、日没の5:00頃から始め秋の夜長、
冬の寒夜を楽しむ「夜咄の茶事」風情があって良いですね。
又、陶の庵はまだ一度も催したことはありませんが、冬の一番寒い明け方
2:00頃に催すのが「暁の茶事」です。 オー(>_<)
そして「朝茶」は暑さを避け、朝の冷気が清々しい早朝5:00頃から催しますが、
この時には亭主は夜中起き2:00頃から準備をいたします・・・

今回親しい友と「夜咄の茶事」を楽しむことになりました。
このお茶事は、電燈を使わないでローソク、それも和ローソクの
ゆらゆらと揺れる明かりの中で楽しむのが特長です。

明かりとしては灯ろうの灯、手焙りの埋み火、短檠、膳燭等色々使い分けて
楽しみますが、手で持ち歩く手燭は出番が多くとても可愛らしい燭台です。

そこで、久しぶりに女流陶芸家に変身して、新たに手燭作りに挑戦いたしました。



(高さ 13.5cm 生寸法) 

釉薬は・・・暗がりの中、ローソクの明かりだけで引き立つ色は?
只今熟慮中・・・




2013年10月6日日曜日

風炉の名残り・お茶の名残り・花の名残り 「中置」

今年の夏は殊の外暑い日々が続きましたが、早カレンダーも残り二枚となり、
少しづつ朝夕秋の気配が感じられ、「風炉の名残り」の季節となりました。

十一月の初めの開炉の時季までの晩秋の頃を名残りと呼び、昨年の秋に口切りした
茶壷のお茶も残り少なくなり「お茶の名残り」とも言います。又、茶室の床に活けていた
「木槿」も、真夏の陽を一杯受けて咲き続けてくれた心強い相棒でしたが、
花も小さくなり頼りなげになってしまいましたし、楽しませてもらった秋の七草も
盛りを過ぎて「花の名残り」ともなりました。

そんな時季は「中置」のお稽古をいたします。


暑さをさけて炭火が見えたり熱を出さないような、小振りの切り合わせ風炉を
使っていましたが、この時季になりますと少し大振りな風炉を、
お客様に近寄せた設えにすることが「中置」です。
風炉が手前正面になりますと、懸ける釜も正面に向くので、蓋を切るのも
真正面手前に引き、柄杓も釜の口に真直ぐにのせます。

暑い時には主役だった沢山水が入り、涼を感じる平水指や釣瓶水指等の
水指は遠ざけ、風炉の陰に常より細い細水指を、
勝手付きに置きつける「中置」のお手前へと徐々に設えを変えていきます。

水・・涼しさから、火の気・・暖かさへ
去りゆく季節にちょっぴり寂しい気分もいたしますが・・

深まりゆく秋・・・読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋?
いいえ、お稽古の秋にいたしましょう!
(*´ー`)

2013年9月30日月曜日

「競咲・・?」

今年生誕100年を迎えた新美南吉の「ごんぎつねの里」矢勝川の堤に、
見事な「彼岸花」と「松葉ボタン」が咲いています。


陶の庵の裏庭にも毎年竹垣の陰でこっそりと「彼岸花」が3輪咲きます。
夏の終りから秋の初めにかけて、緑の枝も葉も節もない花茎(と言うそうです)が、
ある日突然伸びだして、先端に花序(と言うそうです)が一つだけ付き、ほころびると
真赤な花がそりくりかえった形で咲き、赤い糸の様な雄しべと雌しべが、
放射状に長くのびている・・・複雑な花の形、見方によっては華やか?
 そして、薄暗くなってから見るとちょっとドキッとする花です。

そんな「彼岸花」が矢勝川の堤に200万本群生しています。
20数年前迄は、葛やススキが生い茂り土手も道も洩れていたのが、南吉さんの
幼友達だった小栗さんが、最初はお一人で雑草を刈り土手を整備され、一株づつ
球根を植え始められたそうです。やがて、大勢の地域の住民が参加され、
今では見事な「彼岸花」の咲く堤となり多くの人々の心を癒しています。
小栗さんは南吉さんと矢勝川で泳いだ思い出等と合わせて、
多くの戦友を亡くされ、その供養の意味も込めて始められたそうです。
「彼岸花は平和の鎮魂花」


土手に面した花壇にも可愛らしい5弁のショッキングピンクの「松葉ボタン」又の名を
日照草ともいわれる名の通り、強い日差しの中でも「彼岸花」に負けじと群生しています。



今年は丁度お彼岸頃が最盛期だったようですが、
3,4日前に出掛けましたがまだまだ見ごろだと思います。
是非お早めのお出掛けを♪♪

2013年9月26日木曜日

「鎌倉」と「江ノ島電鉄」


前日は大船で一泊。
サー 今日は鎌倉巡りです。

まず、北鎌倉で降り「円覚寺」へ。


総門をくぐり木漏れ日の石段を登ると三門です。
三門から奥に仏殿、方丈が中央一直線に並んだ禅宗特有のお寺で、
掃き清められた境内は凛とし佇むと身が引き締まります。 

同じ禅宗の建長寺へ。
地図上ではお隣のお寺ですが歩くと遠ーい、遠ーい疲れました。
なにしろ真夏に逆戻りの暑さでしたので疲れも倍になったようです。

いくら足が筋肉痛になろうとも鎌倉に来たからには鶴岡八幡宮は拝観しなければ・・・
源頼朝が開いた鎌倉幕府(1185年? 1192年イイクニツクロウ・・・?)
京都から遷り150年間政治、経済の中心地となった鎌倉。
その源頼朝ゆかりの神社、鶴岡八幡宮。

本宮への石段の前に建つ入母屋造りの建物は、吉野山で捕らえられた静御前が、
義経を慕う歌を詠み舞ったと伝承されている?「舞殿」です。


♪吉野山 みねのしら雪踏み分けて
いりにし人の 跡ぞ悲しき

しづやしづ しづのをだまきくり返し
昔を今に なすよしもがな♪

お能や歌舞伎にとり上げられている悲劇の主人公ですね。


鎌倉駅への賑やかな小町通りで暫しのお買い物タイム(*´ー`)を済まし、
そして、乗るのを楽しみにしていた江ノ島電鉄通称江ノ電へ。
始発鎌倉から終点藤沢まで、15駅湘南の海岸沿いに走るローカル線。
人家の軒先に触れそうなギリギリに走っているのに、線路と人家の間には
フェンスもないし、道路と同じ路面を走っています。
途中きついカーブも何ヶ所かありますが、路面電車並の速度18㌔で、
藤沢迄シーズンの終わった美しい湘南の海岸線をゆっくり走っています。



鉄道も新幹線のこだま、ひかり、のぞみ、そして近々リニアと・・・スピードアップ!
先日の新聞に「鉄道に遅い旅を追及したことが一度もない、これからは
如何に遅くゆったり走るかだ」・・・と書いてありましたが、
走行距離10㌔、速度18㌔、15駅をコトコトとのんびり走る江ノ電。
なかなか乙なものですよ。

2013年9月21日土曜日

「武相荘」と「三井記念美術館」

日本の歴史や文化に名を残された白州次郎、正子ご夫妻が、戦時中都心から離れた
鶴川村(町田市)に農家を購入して生活されたご自宅です。
「武相荘(ぶあいそう)」の由来は、武蔵と相模の境にあるということと、一ひねりして無愛想
(人に媚びない、へつらわない・・?)という言葉にかけて命名されたそうです。

緑に囲まれた広大な敷地にある入り口です。


木臼の新聞入れの置かれた長屋門をくぐり、石畳を歩いていくと
築150年位l経った萱葺き屋根の母屋があります。



母屋の中には超エリート(セレブ?)の白州家が所蔵する調度品や、
正子さんの審美眼で選びぬかれ、生活の中で使われた工芸品が、
現在でも使われているかのように配置よく置かれております。
又、正子さんの書斎には膨大な蔵書、出版された著書等があり、
時代の先覚者を改めて感じました。
そして、いつ頃か既に床暖房の設備のあるのにはビックリいたしました。

緑陰の散策路



生涯「プリンシプル(原則)」の信念を貫かれたご主人次郎さんと、
独自の「正子プリンシプル(主義)」で昭和18年「武相荘」に住まわれてからの
60年のお二人の創りあげられた「武相荘」は、暮らしの美の集大成ですね。



「武相荘」を出て鶴川から足をのばして日本橋にあります「三井記念美術館」で
催されています「特別展 国宝「卯花墻」と桃山の名陶」展、今回は
この展覧会を見るのが目的でした。

桃山時代といえば日本の美術、特に漆工、金工、陶器、染織等の
工芸品が一挙に花開いた時代です。
その中でも何といっても焼物屋でもあり、お茶を楽しんでいる陶の庵にとっては
陶器を見るのはとても楽しみです。
志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部・・・ その時代に生まれていましたら、下々の
私達にはとても見ることができない作品を間近に見ることができる
幸せですね。 (*´ー`)


2013年9月14日土曜日

「おもてなし」

先日オリンピック東京招致のプレゼンテーションの時に使われました言葉。
「おもてなし」・・・とっても良い言葉ですネ。
現代社会ではもう失われてしまったのかしらと思っていましたが・・・
にわかに時の言葉として使われだした「おもてなし」

一言で「おもてなし」と言っても抽象的で解かりにくいのでちょっと広辞苑で調べてみました。

          「もてなし」
    ①  客に対する扱い  待遇
    ②  客に出すご馳走  接待
    ③  人や物事に対する振る舞い方  態度
    ④  物事に対する扱い とりはからい  処遇
         ・・・とかたい言葉で書いてありました。

茶の湯での「おもてなし」というと、南方録という難しいお茶の本に書かれているそうですが、
お茶とは「朝、薪をとり湯をわかし、茶をたてて、仏に供え、人にもほどこし、自分も飲む」
もてなしというと、いかにも手を尽くし心を尽くして、相手にサービスする事も大切だが、
それだけだと「人にほどこし」で終わってしまう。
「自分も飲む」ということで、相手をもてなすと同時に自分ももてなされる・・・

もてなしはややもすると自己満足になりやすいが一方通行ではいけない。
お客と亭主がお互いに敬うことが大切・・・そんなことが書かれていた事を思い出しました。

それと同じような「客の心になりて亭主せよ 亭主の心になりて客いたせ」
大名茶人で松江藩主の松平不昧公の言葉です。

茶の湯の作法は感謝と謙譲の心でお互いを敬う。
そんな思いを心の片隅においておくと、とっても暮らしやすい世の中になるでしょうネ。
それが、なかなか、なかなか難しいことですが・・・
 

2013年9月8日日曜日

長月のお稽古

\(^ ^)/ 
2020年オリンピック、パラリンピック開催地「TOKYO」に決まる。


酷暑の夏が長く続き、もう秋は来ないかと心配していましたが、
つくつく法師の鳴き声や夜遅く鈴を転がすようなエンマコオロギの声が聞こえるようになり、
やっと、秋の気配が感じられるようになりました。

そんな長月は小振りな木屋町棚を使ったお稽古をいたします。
  

木屋町棚は表千家十一代碌々斎好みの引き出しの付いたお棚です。
お手前の時三角形の引き出しの中に、薄茶器を納めたり、又、濃茶手前の時には
仕覆を入れたりしますし、引き出しを外すと二重棚として使用でき、
色々楽しむ事が出来る欲深なお棚です。

これから茶席も夏の名残りと、次の季節への準備少しずついたします。


今日のお菓子は秋の台風の呼び名「野分」
葛製ですので器共々少し冷やしてから運びます。


二百十日も先日過ぎこれから台風の季節になりますが、
被害の出るような台風が来ないことを願いつつ・・・
「のわきだちて にわかに肌寒き 夕暮れのほど」
凌ぎやすい季節になってまいりました。

長かった夏が終り秋の気配を感じながらの一服美味しゅうございます。

2013年8月31日土曜日

「ハスキーなおふく」?

秋の七草
萩、芒、桔梗、撫子、女郎花、藤袴、葛の花。
頭文字をつないで「ハスキーなおふく」とっても覚えやすいでしょう。

文学的(^-^)には、山上憶良が万葉集で二首詠っています。
一首は「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数うれば 七草の花」
もう一首は「萩の花、尾花菊花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝顔の花」
と言われていますが・・・でも覚えにくいでしょう・・・秋の七草。

それに比べて、春の七草は語呂がよく覚えやすいですネ。
「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」
もっとも、春の七草は食べられるという楽しみもあります。
年末年始で疲れた胃を休める七草粥美味しいですものね。

秋の七草は冬に向かう前に咲き誇る花を目で見て楽しむ七種ですね。
風炉の時期、木槿と秋の七草はなくてはならない大事な茶花です
「ハスキーなおふく」お忘れなく(*´ー`)

裏庭に咲いた女郎花


ちょっと独特の匂いがありますが、細かい黄色い花が群がって咲く可愛らしい花です。
風炉の茶花に添え花としてとっても重宝な女郎花!
よく似た姿で白い花を付けるその花は男郎花(オトコエシ)と言うそうです。

女郎花と男郎花
男郎花(オトコエシ) 白米は男性が食べるのでオトコメシ(男飯)オトコエシ
女郎花(オミナエシ) 女郎花の花が粟メシに似ているところからオンナメシ(女飯)オミナエシ
対比させてつけられた名前ですが、今時でしたら白米と粟メシ食べるのはどちらでしょうか?


2013年8月24日土曜日

水の音  風の音

水の音

夏の朝、日が昇る前、暑くならない間に行う朝茶事の時には、釜の湯は半分以下の
少量にしておいて、初炭手前の時に水屋から水次やかんを持ち出して、
釜にたっぷりと水を注ぎ足し、濡れ茶巾で釜肌をぬらして清めます。
じゃぼじゃぼと水を注ぐ音が聞こえ、谷川の清らかな水を連想し、
とても爽やかな感じがいたします。


夏は涼しきように・・・


風の音         

まだまだ暑さもピークかもしれませんが、朝方木の葉や笹の葉などに、
そよっと吹いた風に秋が感じられるようになりました。

               「秋きぬと目にはさやかに見えねども
           風の音にぞおどろかれぬる」



自然を感じる・・・

2013年8月18日日曜日

「かみや美術館」と「分館 南吉の家」

「かみや美術館」

県道46号西尾知多線から脇道に入り、畑に囲まれた小高い丘の上に立つ
赤レンガ造りの建物が、半田市にあります「かみや美術館」です。



「かみや美術館」は弁護士として活躍されていた神谷氏が、長年個人で
近代日本の油絵を蒐集され、とりわけ北川民次の作品収蔵で知られています。
入り口のドアーを開けると右側が常設展示、村山槐多や梅原龍三郎、熊谷守一、
ビュッフェ等の著名画家の作品が並び、勿論北川民次の作品迄約40点位展示してあります。
左側の企画室は今回は水墨画で、鬼や河童等ユーモラスな
親しみやすい作品に思わず微笑んでしまいました。
企画展は年三回催されるとか、陶の庵の大好きな大津絵も300点
収蔵されているとの事ですが、次回の企画は3年先・・・それまで待つ~(*´ー`) 


「分館 南吉の家」
今年生誕100年を迎え、複雑な家庭環境で過ごした童話作家新美南吉が、
幼少時母りえの実家新美家に養子に出され、数ヶ月住んでいた萱葺きの屋根を持つ家です。



「ごんきつね」「牛をつないだ椿の木」等の文学作品の誕生のもとになった家だそうですが、
長年無人のまま放置されていたのを「かみや美術館」が買い取り、修復され
「かみや美術館 分館」として開放されています。


酷暑の一日出掛けてまいりましたが、本館、分館共神谷氏の息子さんの
とっても元気なお嫁さん(学芸員)が説明してくださいました。
「運営は大変ですが絵を集めた人の思いをしっかり伝えられる。
それが個人美術館のいいところ・・・」と言って見えましたが
良い文化を守り、それを次に伝える・・・心のこもった言葉でした。



2013年8月10日土曜日

「セミ」


朝方5:00前後からあちらからこちらから一斉に鳴き始め、
時雨どころか豪雨・・・「セミ」の大合唱団です。

「しづかさや 岩にしみ入るセミの声」

不思議な句ですがこのような状態のことかしら?
目をつむると本当に一瞬何も聞こえないような静寂の錯覚になります。

地中に8年?成虫になりやっと飛び回れるようになって1~2週間余りの命。
その中で全エネルギーを費やす「セミ」の一生は過酷かもしれませんネ。

その「セミ」を食べることが中国では大流行になっているそうです。
「セミ」の頭と尾をとり、胴体部分を炒めたり揚げたりして食べる料理、
「高たんぱく、低脂肪」が体に良いと評判だそうです・・・ウーン
勇気のある方一度挑戦なさっては如何でしょうか?

ちょっと(大いに)ヤカマシイかもしれませんが、季節を知らせる大事な「セミ」。
真夏の大合唱団だと思って聞き流しましょう・・・か?
それにしても今夏は「セミ」が多いような気がいたします。


裏庭の超過密な「セミ」の抜け殻 (7匹)

立秋も過ぎたというのにこの猛暑、酷暑の日々、
一日も早くツクツクボウシの鳴き声が聞きたいものですネ。





2013年8月3日土曜日

涼風・・・ 


「木槿」

青空に向かってたくさんの花をつけて伸びる「木槿」
朝に開いて、夕暮れには閉じてしまう一日花の「木槿」
真夏の茶花の主人公の「木槿」




裏庭の矢筈芒と女郎花を添えてさざえ籠に挿してみました。

一服の涼風を・・・





「お花屋さん」

高原の爽やかさを運んでくれる「お花屋さん」
夏の疲れを癒してくれる「お花屋さん」
幸せと豊かさをもたらしてくれる「お花屋さん」





薔薇の花びらで洗顔するとツルツル肌になる・・そうな?

一服の涼風を・・・  





2013年7月28日日曜日

ゴンちゃん 一周忌

桜の木の麓でねむっているゴンちゃん。

ゴンちゃんがいなくなってから、もう一年も過ぎてしまったのね。
それでね、ゴンちゃん、ゴンちゃんが豊田から陶の庵家に来てくれた頃、
撮った写真があったでしょう・・・
今から19年くらい前になるよね、もう黄色になってしまった写真だけど、
あれをこの間大きくしてもらって、ゴンちゃんだけデジカメで撮りなおしたの。
どーお、この写真。



小さな体でお鼻だけ真っ黒、その時にはまだ尻尾はあったもんね。
親ばかだけどかわいらしかったよ。
その時から、18年間喜怒哀楽を体中で表わしてくれ、皆を楽しませてくれたね。
ゴンちゃん、ありがとー!
今でもゴンちゃんの話をしないときはないよ。今どうしているの?
心配しているのは仲間はずれになっているのではないか?ということ。
だって、ゴンちゃんは咬みぐせがあるから。
咬みついたりしないで皆と仲良くね。

今年の夏はとってもとっても暑いよ。そちらはどうなの? 元気? ちょっと変かしら・・・
陶の庵家の皆は大分くたびれてきましたが一応元気にしてますよ。

今日はゴンちゃんの祥月命日(7.28)だものね。
ゴンちゃんの大好きだった「ときわ木」のおまんじゅうお供えしましたよ。
たくさんたべてください。

それでは、又、色々報告するからネ。 それまでサヨーナラ~。


2013年7月20日土曜日

保存食

「梅干し」
今年は極上の梅干しに仕上がりました。
というのも、偏にお天気が良かったからですね。梅干しを作る陶の庵は異常気象で、
早々に夏バテしてしまいましたが、梅干しはこの暑さが幸いいたしました。

一ヶ月程前に例年のごとく、梅酒にするよりほんの少し黄色やオレンジ色かかった
南高梅の2Lを10㎏(340ヶ)をもとめ、1昼夜ひたひたの水に浸しておきます。
翌日更にきれいなオレンジ色になり、香りも深くなった梅のヘタを傷つけないように
つまようじで丹念に取り除きます。
一つ一つ丁寧に水気をとり、まんべんなく塩(1㎏)をまぶしながら容器に詰め込み、
梅の重さの1.5倍くらいの重石をしておきます。
一週間位しますと梅ひたひた位まで梅のエキスが出てきます。
その頃に赤ジソが店頭に並びますので、むしりとった葉だけを塩を振りかけてヨクヨク
もみますと、アクが出て更にもみますと真赤なきれいな赤ジソになり、
それをタドン玉の様に丸めて梅の上にのせ、重さも半分位にし空気の入らないように
密閉させて、日の当たらない涼しい所に置き梅雨が明けるのを待ちます。

サー、梅雨明けでーす!
カビは大丈夫かな?(塩が少ないとカビが出てしまいます) 恐る恐る開けてみます。
ワー、きれいな色、良い香り~~ 良かった♪♪
赤く染まった梅を重ならないようにして、干しざるに並べて三日三晩干しっぱなしにして
おきます。一日に一度一番暑い時に容器に残っている真赤な梅酢に漬けて干しますと、
更にきれいな赤い梅干しになります。三日三晩というのが大切なんですね。
夜露が種離れをよくしたり、梅干しの皮を柔らかくしてくれます。
去年は干したり取り込んだり大変でしたが、
今年は一滴の雨も降らなくて梅干しにとっては上々の出来映えになりました。
これで、一年間毎朝いただける心を込めて作った保存食「梅干し」作りは完了(^-^)


「らっきょ」
実家のらっきょが今年は殊のほか豊作だったとかで、丸々太ったらっきょが沢山届きました。
豊作は嬉しいんですが、らっきょの皮むきこれが一苦労です。
小さなものから親指位あるものを、ひげ根と芽を切り落とし薄皮を剥く。極々小さいものは
洗って水気をとったら濃い目の塩を振り、三~四日冷蔵庫に入れておいてからいただく・・・
おつまみに最高だそうです?
今年は塩漬けと二種類の甘酢漬けを作ってみました。
らっきょを甘酢に漬ける前に塩漬けにするのかしないのか?の二種類です。

そろそろ1ヶ月位過ぎました。食べ頃になりましたでしょうか?
可愛らしい小鉢に入れて食卓に出すことにいたしましょう。
サテ、どちらのらっきょが美味しいことやら??

2013年7月13日土曜日

「香り」

日本に香木が入って来たのは仏教伝来と共で仏様にお供えするお香として使われていました。
又、調合によっては薬にもなり、かの才色優れた楊貴妃はそれを食べていた為、
体から芳しい香りがしたそうです~~
平安時代になりますと趣味として麝香や沈香等色々のものを混ぜ合わせ、はちみつで固めて
香りを楽しむ練香が作られ、源氏物語(勿論現代語訳)等を読みますと、お香を部屋に
焚きこめたり、衣装や紙に薫物をほどこしたりする様になり、それも女性だけでなく男性貴族も
身だしなみの一つでもあったそうです・・・  ウーン これぞ「雅」
「香り」の文学といわれる源氏物語の世界ですね。(臭いを隠すためでもあったとか?(*^-^) )

茶の湯では炉の季節は練香を使い、その容器は先日愛知県陶磁美術館で見ました
型物香合の陶磁器の香合を用い、炭手前の時にはその中に三個の練香を入れておきます。

風炉の季節になりますと濃厚な香りの練香から、角割りの香木そのままの沈香や
白檀を使い、容器も陶磁器でなく唐木や竹製、漆器等の軽やかな香合を用い、
やはり炭手前の時には三個の木片を入れておきます。


鉄刀木の可愛らしい(4×6㌢)「手桶香合」です

同じ沈香や白檀でも産地によって「香り」が違うそうですよ。焚いたお香の「香り」を聞き
その違いを「甘い」「辛い」「酸っぱい」「苦い」「塩辛い」と五味で表現するそうです。
料理の五味とまったく一緒ですね。
味と一緒で個人差があり、そのうえ現代の生活では味覚程嗅覚が使われていないので、
なお一層個人差があるそうです。
「雅」に包まれた遊び心のある和の生活を楽しむのには、
見たり、聞いたり、触れたり、嗅いだり、味わったりして
五感を研ぎ澄ます事にいたしましょう ♪♪

2013年7月5日金曜日

「緑陰」と「さくらんぼ」

ものぐさ陶の庵も体力保持(ボケ防止)の為、毎朝のラジオ体操と
週一回のヨーガ、そして週二~三回位の散歩を目標としています。


散歩といってもゆっくり歩いたり、時には早足で歩いたりほんの20~30分位ですが、
それでも家に着くとほんのり額に汗が浮かんできます。
歩くコースも手入れの行き届いた公園などでなく、人通りの少ない裏通りの小道ですが、
気をつけて歩いていますと少しづつ季節の変化を感じます。
この間迄つつじや皐月の花が咲いていましたが、既に新芽がのびていたり、先日から
八重咲きの白いくちなしの花が咲き、顔を近づけますとあま~い良い香りがいたします。
西日の当たる土手には丈夫な夾竹桃が植えられ、やさしい白やピンクや赤色の花を咲かせ、
小道を歩く人を和ませてくれますし、何より涼しい木陰を与えてくれます。

西行さんの和歌に

                   道野辺に 清水ながるる 柳影
 しばしとてこそ 立ちどまれつれ

風景が思い浮かびますね。炎天下を歩き疲れ柳の陰でちょっと休もうと思ったのが、
気持ち良くそのまま思わず長居をしてしまった。
きっと、清水も口に含まれたのでしょうね。甘露、甘露・・・と言われて?
何代目かの柳が今も(那須町)その雰囲気を保ち続けているそうですね。

緑の木陰が恋しい季節になりました。
大きい樹なら一日にバケツ何十杯もの水を吸い上げ、葉から霧散させるそうですよ。
木陰は天然のクーラーですね ♪♪


到来物 「さくらんぼ」


散歩から帰りましたら山形に住んでいる幼なじみのM子ちゃんから、
何とも可愛らしいルビー色の瑞々しい「さくらんぼ」が届きました。
早速お口に一粒、アー、甘酸っぱい味! オイシーイ・・・
 これが幼なじみの味でしょうね?
(^人^)♪


2013年6月29日土曜日

「ひまわり」

道端に珍しく「ひまわり」畑がありました。
雨間の「ひまわり」ですのでちょっと元気がないかしら?


「ひまわり」と言えば絵では画家ゴッホの描いた、
黄色い壷に入っている15本の「ひまわり」でしょう。
映画では断然、ビットリオ、デ、シーカ監督のイタリア映画(1970製作)「ひまわり」です。

反戦映画でありながら、戦争によって引き裂かれた夫婦(マルチェロ、マストロヤンニと
ソフィア、ローレン)の行く末を、悲哀たっぷりに描いた不朽のメロドラマです。
そして、その画面、画面に流れるヘンリー、マンシー二の情感豊かな、
なんともいえない悲しくも素敵なテーマ音楽と、ロシアの大地に延々と
地平線にまで及ぶ「ひまわり」畑の美しさともの悲しさ・・・
さんさんと輝く太陽に向かって花を咲かせる「ひまわり」畑の下には、
イタリア兵やロシア人がどれだけ埋まっていることでしょう?
戦争というものが人々の生活を、如何に残酷に変えてしまうのか!
反戦メッセージに上映中何度涙を流したことでしょう~
幾度となく見ましたので今でも色々の画面と切ない音楽が想いうかびます。

いい映画は何度見てもいいです。
それも映画館で見てこそ本当の魅力を発揮しますね。
 


2013年6月22日土曜日

「やる気」を引き出す10項目

梅雨入り宣言をしたというのに今年は空梅雨なのか、降雨量が例年の1/3から1/2位と
言われ、昨今では雨ごいの儀式も営まれていましたが、願いが届けられ恵みの雨も降り、
樹々もやっと一息つき元気を取り戻しました。
ジメジメ、ムシムシと嫌われ者の梅雨も、この国の自然や文化に欠かせないとは
わかっていますが、気分が沈んでしまい「やる気」が起こらないですね。

そんな時に思い出したのが、以前書かれていた「やる気」を引き出す10項目です。

① 生活にリズムをつくる  「規則正しい生活」
② 外相を整える  「外相整いて内相おのずから熟す・・・心は後からついてくる」
③ 休息は仕事の中止にあらず
④ ハングリー精神を持つ
⑤ 何か人に誇れるものをもつこと  
⑥ 嫌なことは早くかたずける
⑦ 仕事を探すこともひとつの仕事
⑧ 良い友人を見つけること
⑨ 頭より体を使え  「行動を起こす」
⑩ 人生目標をたてよ  
  「人間、生きる目標さえあれば、たいていの苦難に耐えることができる。 ニーチェの言葉」
  
    それでは・・と陶の庵「やる気」度テスト

① 四季を通じて朝は5時起きですから  ○
② 時々ゴロゴロするから △
③ 「疲れたー、アー疲れた」と言って休息するから △
④ ハングリー精神余りなし、これも △
⑤ 茶の湯ですね。誇れるというより好き ○
⑥ 面倒くさがりですがやらなければ・・と思いながらもやるからやはり △
⑦ 雑役婦ですので、探せば仕事は無限にあり、仕事は好き ○
⑧ 良い友人  お蔭様で回りに大勢いて下さいます  ◎
⑨ 頭の中で考えても、解決しなければすぐ行動を起こす ○
   逆に頭の中でもう少し考えた方が良いかも?
⑩ 人生の目標  拙いブログを書き続けることかしら? 
   毎日の歩みの中で道草をしながらも、感じたことを時々書き記したり、
      時には振り返りながら   急がず慌てずゆったりと歩いていきたい・・・
      というささやかな目標をもっているので  ○

一つの目的を持って生きている人、大きな(小さくても可)願いを持っている人は、
とても若々しく見えるそうですね。
目標を持って元気に前に進みましょう(空元気でもOK)!!
\(^-^)/


2013年6月14日金曜日

「蛍」

 葛饅頭
  
夏の涼やかなお菓子で、フルフルした感触はお口に入れると、サラッと溶けてしまいます。
中国では水晶のように透明感のある美しいお菓子という事で水晶包子と言うそうです。
ピッタリですね。

その葛饅頭の銘は「蛍」
ヘイケボタル? ゲンジボタル?
形が大きいからゲンジボタルといたしましょう。

源氏と「蛍」と言えば源氏物語25帖の玉鬘の姫君が浮かんできます。
兵部卿の宮が忍んで近くにみえた時に、養父の源氏の君がいきなり几帳の帷子を
上げると同時に光るものが散乱しました。
「この夕方、源氏の君は蛍をたくさん薄い布に包んでおいて、
光を洩れないように隠してお置きになったものを、さりげなく、姫君のお世話をなさる
ふりをよそおって、いきなり、さっと放し撒かれたのでした。突然のきらめく光に、
姫君がはっと驚き、あわてて扇をかざしてお隠しになった横顔は、
息を呑むほど妖しく美しく心をそそられました」

想像するだけで何と神秘的な光景でしょう・・・
現代語訳の瀬戸内源氏巻五に優艶な美しい装画載っています。

その折のお歌(兵部卿の君)

                  鳴く声も聞こえぬ虫の思ひだに
                          人の消つには消ゆるものかは

返歌(玉蔓の姫君)

                  声はせで身をのみこがす蛍こそ
                           言ふよりまさる思ひなるらめ

 ウーン ロマンチック (@^-^)


陶の庵の子供の頃は、まだ川面に蛍が乱舞する姿がよく見られましたが、
今は中々見られませんね。 
あの神秘的な蛍の光は郷愁をいだかせ心を和ませてくれ、更に、
安らぎを与えてくれるα波を刺激してくれるんですって!

  

2013年6月8日土曜日

和菓子と季節の行事 「水無月ういろう」

陰暦六月は田に水を引く月「水無月」
その水無月の和菓子といえばやはり「水無月ういろう」ですね。


三角の形をしたういろうの上に甘煮の小豆がのっている和菓子です。
六月の晦日に一年の前半の穢れを清めて、これから迎える酷暑を乗り切り、
半年の無病息災を祈って「水無月ういろう」を食べるという習わしがあり、
三角の形は氷を表わしその上にのっている小豆は厄除け。
何故か赤い色は伝染病から身を守るおまじないという迷信が中国から伝わり、
その「赤のおまじない」の風習は現代でも受けつがれています。
おまじないというだけでなく何となく赤い色を見ますと、スペインの闘牛ではないですが、
ちょっぴり闘争的になりパワーが出るような気がいたします。

初釜に使います花びら餅から椿餅、桜餅、菱餅といが饅頭、柏餅と粽、水無月ういろう・・・
春、夏、秋、冬、美しい四季の中で生活し、行事や季節感を大切にしているのが和菓子です。
心忙しい時こそ季節の美しい装いで私達を癒してくれる和菓子! 
だーいすき

2013年5月31日金曜日

「江戸しぐさ」と「歩きスマホ」

その昔、人口密度が高く路地等の狭い道が多かった江戸の町で、
お互いが気持ちよく生活する為のマナーがあったそうです。

「傘かしげ」
雨の日に人と人がすれ違う時、傘と傘がぶつからないよう、そしてお互いの
雨のしずくでぬれない様に、自分の傘をちょっと外側にかしげるしぐさ。

「肩引き」
同じように狭い道ですれ違う際、肩がぶつからない様に
右側を互いに後ろに引いてすれ違うしぐさ。

「こぶし腰浮かせ」
渡し船などで後から乗船してくる人の為に、座っている人が順番に
腰を浮かせて、こぶし一つ分詰め一人分の席を作ること。

この様な奥床しいしぐさを今でも守っている方もいらっしゃいますよね~
でも、中には雨の降っている時でも傘をさしながらスマホに一生懸命で、
ぶつかろうがぬれようがおかまいなし、我が道を行くという人も見かけます。
これから梅雨に入り気をつけなければと、思っていましたら最近では
雨降りだけでなく、熱中症にも効果があると愛用する「日傘男子」が増えているそうです。
アレアレ、日傘のイメージも変わってきたものです。
先日の新聞にこの様な「歩きスマホ」が増える一方で、身の危険を感じ
危ないという苦情の声も高まっているそうです。

又、電車の中でも大きなバックを自分の隣の席に置いて、
平気でスマホに熱中だったり・・と色々残念なしぐさを見かけますが・・・
時には(まだ滅多にはありませんよ)、陶の庵も優先席に座れる権利は既に
持ち合わせていますが、「どうぞ」と高校生らしき可愛い人に席を譲られるのも
なぜか嬉し悲しの気持です。 フクザツ(*^ー^*) 

まだまだ、色々のマナーがあると思いますが、江戸時代だけでなくいつの
時代でも、特に、忙しい現代の共同社会こそ、皆で上手に住み暮らす為の
知恵を出し合い、自分だけでなく他人のことを考える余裕、
優しさを大切にするマナー守っていきたいものですネ。

2013年5月25日土曜日

「ナガレスタジオ」

日本でよく知られる彫刻家
ロダンやミケランジェロ
日本人で世界に知られる彫刻家
イサムノグチ(故人)
流 政之   (90才)

今年2月に90才になられてもなお精力的に制作活動をされている彫刻家 流 政之さん。
数年に一度高松市庵治町のアトリエ「ナガレスタジオ」を特別公開されますので、
今回は期待を持って楽しみに出掛けてまいりました。

スタジオは50年前、縁のない庵治を拠点にした時、土地の長老が
「夕日はいかん 日の出が見えるところに住め」と、手を尽くして土地を探してくれたそうです。
瀬戸内海を一望できる高台に、赤レンガ造りの城塞のような
広大な自宅兼アトリエの「ナガレスタジオ」  想像以上のスケールの大きさにまずビックリ!

その野外空間に瀬戸内の風景に負けない何百体の作品が、石やブロンズでありながら
魂があり、向き合っていると作品とコミュニケーションできる様なそんな感じが致しました。






当日は曇り空でしたのでちょっと残念でしたが、晴天なら瀬戸内の青い空と青い海を
バックに、くっきりと作品が前に出てもっとインパクトがあるでしょうね。

1960年位から美術界で活躍され、アメリカのワシントン、サンフランシスコ、
ロスアンゼルス等、国内外の公共の場所に作品が設置され、特に世界に名前が
知られるようになったのは、世界貿易センタービルの広場に設置された「雲の砦」です。
残念ながら9・11のテロ時には大丈夫だったそうですが、その後救助用の
重機を通す為に壊されてしまったそうですが・・・



卒寿をむかえられた今回も威厳のあるお顔で、ジーパンをはき
お洒落な帽子にシャツ姿。 とてもお年には・・

「芸術は質より量 これからも五百でも千でも作りたい 未発表の彫刻は
制作途中 実験中の作品だ・・・」 まだまだこれから~~
今年も高松で個展をなさるそうです。

素晴らしい作品と空間 人に会い陶の庵も触発され \(^-^)/