2012年8月28日火曜日

干菓子

お茶席でいただく茶の湯菓子は、主菓子と干菓子がありますが、
すべて濃茶や薄茶の前にいただきます。

主菓子は、香り高くまろやかな濃茶の味を損なわないような、程よい甘さ、香り、
はんなりとした味の、餅菓子や蒸し菓子、練り菓子、棹物菓子等を用います。
干菓子は、濃茶の時の緊張感を少しやわらげ、サラッとした薄茶の味わいを
引き立たせるような、有平糖、押物、打物、煎餅、州浜等の軽やかな干菓子を使います。

茶の湯は全て五感を大事にいたしますが、茶の湯菓子も同様、
視、聴、味、嗅、触の感覚をとても大切にいたします。
色や形、手ざわり、歯ざわり、舌ざわりや香り、
そしてお菓子の銘によって感じられる季節感など・・

一服の美味しい濃茶の味を引き立てる主菓子は、勿論大切ですが、濃茶席の緊張感を
少しやわらげ、和やかでくつろいだ薄茶席に出される干菓子はとても楽しみですョ。
可愛らしく季節感にあふれる形や色、思わず微笑んでしまいます。


        左上   一月 鶴       二月 薄氷、     三月 貝、     四月 桜、
               五月 花菖蒲,    六月 金玉糖、  七月 鮎、       八月 観世水、
                 九月 菊、        十月 吹寄せ、   十一月 銀杏、  十二月 唐松

お菓子もやっぱり世の中の移り変わり、人の好みに合わせて、
少しずつ変わってくるかもしれませんが、お茶を美味しくいただく茶の湯菓子は、
吟味された材料を丁寧に加工され、形や色を余りこらずに、
自然の味を大切にしていただきたいものですネ。

お茶席の雰囲気や、趣向にあった季節感あふれる美味しい茶の湯菓子をいただく・・
至福の一刻です。 (*´ー`)

2012年8月20日月曜日

涼風

7月も初旬の頃は、「短夜」「明け易し」のごとく、
朝は5時前より明るくなり、長い一日の始まりでした。

暑中見舞いも出し、「立秋」を境に残暑見舞いになり、お盆も過ぎますと、
日の出も随分遅くなってまいりましたし、暑い暑いと言いながらも、
微かに秋の気配を感じ、心地よい涼風も吹き始めました。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 
風の音にぞおどろかれぬる」

風の音で立秋の気配を知る?? 繊細な藤原敏行朝臣の歌。

涼風が吹き始め、秋の風情が濃くなりますと、たおやかに枝垂れる萩の花が目に付きます。
おなじみの秋の七草の萩の花は、万葉集にも一番多く詠まれている花だそうですネ。

「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花
女郎花また藤袴 朝貌の花 」

忘れないでいいですネ。秋の七草全て詠まれている山上憶良の歌。

萩の花が咲きそろうにつれ、秋の日はつるべ落とし「短夜」から「長夜」になり、
せみ時雨から虫の音へと、そして カレンダーの薄さも気になりはじめ、
何となく腰が浮き加減になってきます。

今回で最終の開催となります「第十回 和楽茶会」の準備をしなければ・・・
心急かされる日々になりそうです。

2012年8月13日月曜日

権兵ヱー 初盆

ごんちゃんが亡くなってしまいました。
1994・8~2012・7・28  18年間共に濃密な日々を過ごしました。

ごんちゃん、 権兵ヱー、 ゴンベー、 ゴン、 ごんごんちゃん・・
うれしい時、かなしい時、ほめる時、しかる時、なだめる時、おこる時・・
一日に何回呼んだことでしょう。
(一日 ?回、 一年 365日)×18年  何万回呼んだ愛しい名前!
もう一度、鼻と鼻をくっけて「ごんちゃん、オハヨウ今日も元気でネ」・・言ってみたいですネ。

老衰で天寿をまっとうして7・28日逝ってしまい、静かに?
セミ時雨の中、裏庭の桜の木の麓に眠っています。
今は、ただごんちゃん有難う・・・


最後の写真になるとは思いもよらず、前日撮った一枚。
涼しい朝方裏庭を散歩し、少し歩くと倒れてしまい「どうしてコロンデシマウノ?」・・と
陶の庵に語りかけるごんちゃん。  まさか、まさか亡くなるとは!!


※  T動物病院の皆様へ
ワガママナ患犬と心配性な飼い主に、長い間向き合って下さり、
とても心強い日々でした。有難うございました。

2012年8月7日火曜日

絞り茶巾

極暑と極寒の薄茶のお点前の一つ「絞り茶巾」


夏の絞り茶巾は、少しでも涼しくという心くばりから、平茶碗に茶巾をたたまず、
ゆるく絞った姿そのままを、茶碗に仕組んで運び出します。
茶筅通しをして、お湯を建水にあけてから、お客様の前で茶巾を絞りなおしてたたみます。
ゆるく絞った麻製の茶巾の白さは眼に涼しく、微かに滴る水の音は、耳にも涼しく感じられます。
お点前の中で、微かな水音に五感を澄ませることで、暑さを少しでもやり過ごしたいものです。

冬の絞り茶巾は少しでもお茶が冷めないようにと、比較的口の狭い筒茶碗を用います。
茶筅通しのお湯を茶碗に入れたままにしておき茶巾を絞り、
茶巾をたたみなおしている間に、茶碗が仄かに温まります。

冷、暖房のなかった頃に、如何にお客様に心地よい雰囲気の中で、美味しいお茶を点て
おもてなしするか、そして、それをお客様が察した時、主客のこころが通い合います。

松平不昧公の言葉
「客のこころになりて亭主せよ、亭主のこころになりて客いたせ」
主客が互いに敬うこころが大切ですネ。

何時か、そんなお茶事がしたいものです・・

2012年8月1日水曜日

夏の花 「木槿」


底紅木槿

「花」・・とだけ言えば、なんとなく春を連想し、
「花野」・・と言えば秋草の咲き乱れている野を思い浮かべます。
春の花はやはり「梅」ですネ。それから、私達の大好きな「桜」・・
「梅」のことを他の花に先がけて咲くから花の兄とも言うそうです。
秋の花はといえば「萩」かしら? それから、やはり「菊」でしょうネ。
「菊」は他の花に遅れて咲くから、花の弟とも言われる・・と、言うことは、
「梅」と「菊」は花の兄弟?

その間の夏にも、多種多様の花が咲き楽しませてくれます。
まず、陶の庵の大好きな「木槿」「芙蓉」「ハイビスカス」「ノウゼンカズラ」等々・・
それらの花は全て一日花。朝から夕暮れ迄のたった一日の命。
一見、ひ弱そうな感じを受けますが、たくさんの蕾を持ち、次から次へ咲く花は、
エネルギッシュな夏の風物詩です。

一日花と言っても「木槿」「芙蓉」や「ハイビスカス」は、早朝全開し、
夕方迄にエネルギーを全て使い果たし、萎んで落下してしまいます。片や、
赤朱色のきれいな花が咲く「ノウゼンカズラ」は、花じたいの寿命が尽きる前の、
咲いたままの姿で散ってしまいますので、落下した後にも風情があります。

夏の一日花は、その儚さを人生にたとえた人達に、昔から好まれてきましたし、
又、涼やかで優しい「木槿」は風炉の茶花としても、なくてはならない大切な花々です。
縞葦や糸すすき、水引などを添えて挿します・・
一日一輪 (^人^)♪