「一期一会」 「一座建立」
この言葉を心の片隅に秘め、背伸びしながら開催してまいりました和楽茶会も、
第十回目を節目とし、最終の開催を少し惜しまれながらも無事に終る事ができました。
伝統的な非日常の茶の湯の伝承もとても大切ですが、日常生活の中にポット浮いた
非日常の緊張感のある一刻を持ちたい・・・そんな想いで仲間と共に始めたのが和楽茶会です。
振り返れば十年前ささやかに自宅の前庭で夕方から月見茶会として、和ローソクの仄かな
明かりの中で催した第一回目と第二回目。お客様も30名様位で点心も全部手作りでした。
第三回目から公の茶席をお借りし、参加して下さるお客様も少しずつ増えてまいりました。
更に、第七回目からは由緒あるお寺の歴史の刻まれた茶席で、静かに想いを
馳せながらの一服を楽しんでまいりました。其々の設えが想い浮かんでまいります。
又、色々な方々をゲストとしてお招きし、尺八、琴、胡弓、笙、三味線、常磐津節、
謡曲、日舞等の伝統芸能から、ジャズ、ピアノ、ヴァイオリンの洋楽器の演奏迄、
お茶とのコラボレーションを楽しみました。
今回は最終回ということもあり、色々想いを込めて今年のNHKの
大河ドラマ「平家物語」に因んだ設えを・・・と準備してまいりました。
場所は仏教哲学者で高名な清澤満之老師終焉の西方寺をお借りいたしました。
茶席は犬山の如庵にあります珍しい鱗板の瀟洒な小間で、お客様と膝を交えての和やかな
一刻、今迄のお礼の言葉を、お一人様お一人様にお伝えすることも出来安堵いたしました。
床のお軸は和楽の「和」 花は平家物語に因み沙羅の照り葉と曙椿を挿してみましたし、
お菓子は建礼門院徳子が壇ノ浦で入水するときに藤重ねの十二重を着ていた・・・
藤色のあんこを薄い牛皮で包んだ菓子銘を「藤重ね」といたしました。
今回お迎えいたしましたお客様の歌舞伎舞踊の市川櫻香様と狂言の佐藤融様も
平家物語に因み舞踊は「八島」と狂言は「那須与一語」を、弥陀に守られた荘厳な
本堂の中で上演してくださいました。とても感動いたしました。
和楽茶会がこんなにも長くこんなにも盛大に続けてこられたのも、偏に
遠路毎回お越し下さったお客様、骨身惜しまず協力して下さった友人、
社中の方達、良き仲間に支えられて続けてこられた事と感謝いたしております。
本当に有難うございました。
此れからも楽しみながらこつこつと、
是非の 初心忘るべからず、
時々の初心忘るべからず、
老後の初心忘るべからず
忘れずに精進したいと想っています。